物置の温湿度条件

2019年春に竣工したガレージの2階物置の天井が結露しました。雨漏れを疑

いましたが屋根の構造用合板の湿り具合から屋内結露だと断定しました。

施主様から頂戴したご質問にお答えしたいと思います。

 

結露水で濡れている屋根合板。

結露で湿った屋根の構造用合板
1)このまま使うと木材が腐ると考えていいのでしょうか?

 

スキー場で見かけた耐水性のない合板  屋内用や家具などの用途に使われる合板を外壁に使ったと思われます。
確かに 昭和生まれの私たちがイメー
ジするベニアはしたの写真のようなイ
メージです。

しかし建築構造に使われる面材は違います。それは耐水性に優れた構造面材を使うからです。

現在の木造住宅は「筋交い」に加えて

この構造面材--構造用合板を多用する様になり、まさに枠組み工法-国際規格の工法に接近しています。

柱や梁で構成するより枠組みで構成する方がはるかに効率的で耐震性能が高いのです。




 

璧体の内部が結露し湿潤な状況が長年続くリスクを排除するために必要な仕様です。国内では日本農林規格品を使用するという、海外仕様を排除し日本の規格品を使う様する厳格さがあります。 

昔から?との疑問も湧きますね。大雑把に言えば昔は断熱材が存在せず、壁体の内部結露は起こりにくい状況などだろうと思います。
2)冬場も、暖をとると同じ様に結露が出来ると考えていいのですね?
空気線図で示す様な屋内空気条件であれば結露は起こり得ますが ここで建築材料
の熱容量について考えてみます。

例えば写真の屋根部分がコンクリートだとしますと大いに結露し易いと思います。コンクリート類は熱容量が大きぅ木材より沢山の熱を蓄熱するのです、そうすると空調しない屋内は外部気象条件に接近した温湿度状況になろうとするのですがコンクリートは数時間前の温度条件を保つことになり、その温度差の位置条件(空気線図上)によっては結露ポイントにいたってしまいます。

以上は木材と比べてのイメージとしてお伝えしました、屋根の構造用合板や屋根材
の熱容量は小さく温度伝達に掛かるタイムラグ(時間差)が小さいこともあり、外
気温-空調しない屋内温度に追随し易いので結露は起こりにくいのです。
終わりに


施主様には大変ご迷惑をおかけしました、お詫び申し上げます。

夏季の結露については弊社自身が過去に経験したことがないので大変驚いたのが正直な処です、メーカーの田島ルーフィング様にも問い合わせましたら、この様な事象の経験を教えていただきました。

なぜ今年この様なことが起こっているのか?については断定はできませんがこの数十年の中で外気温そのものが高くなかった。?と思っています。
  1. 1:そもそも外気気温は低くてもの関係湿度が例年より高いので        はないか?

 

2:強雨で降雨水量が多かったので屋根の温度降下が大きかった。

 

   
以上の気象条件が複合的組み合わされたために 屋根が結露ポイントに至った。 と思っています。