鉄板物置の内部結露

結露については空気線図をみて空気の性質を知るのが近道です、その上で結露対策を考えるとその対策のポイントがつかめるかもしれないですね。

  1. 右端縦軸:絶対湿度
  2. 底辺の横軸 乾球温度
  3. 空気線図内部の赤色曲線 :関係湿度 

絶対湿度は空気中に含むことができる水の量です。関係湿度というのは空気の温度条件により含有できる水分の量が一緒でもその比率が変っていく湿度のことです。天気予報はこの関係湿度で語られています。

♦  空気線図からわかること。

  1. 気温(乾球温度) により空気中に含むことができる水分の量が変化する。
  2. そのために同じ空気中の水分(絶対湿度)であっても関係湿度が変化する。
  3. 気温が低いほど空気中に含むことができる水分は少なくなる。

例えば気温10℃の関係湿度50%付近の絶対湿度は0.003kg/m3関係湿度100%だと0.008kg/m3 ですね その差は0.005kg/m2

では気温25℃では それぞれ 0.010kg/m3 と0.020kg/m3 でその差は0.010kgです

屋根に積雪がある場合 天井の温度は0℃ですから関係湿度100%だと0.004kg/m3  降雪後気温が上昇しながら屋根の積雪が融雪すると 外気10℃の関係湿度が40%の場合絶対湿度が0.004kgですから

その空気が物置内部に入ると結露してしまいます。

例えば降雪中だと 気温は0℃ー最高2℃です 2℃の空気が庫内に入っても結露しにくいことは空気線図でご理解いただけますか?つまり2℃で関係湿度80%の空気が水滴に変わる 湿度100%に至るのは 気温が-3℃付近ですが 降雪時の屋外気温が0℃-2℃なら-3度には至りません。 (気温0℃近辺の雪温は0℃付近で -3℃はありえないからです)

そう考えると 降雪中に物置内部が結露することは考えにくいと思えます。

積雪が残った状況で気温上昇し、0℃の天井に関係湿度90%程度の空気が流入接触することで結露は必至となります。

  • TIP
  • 降雪が終わったら気温が上昇する前に、鉄板上部の雪を速やかに排除すること、

 

積雪10mでも OK ??

 現実には飯山だったらその設計積雪3mを超えることだって絶えずあるのでは? という疑問です。 一方僕が1トン程度を持たせようと考えた建物は 構造計算で根拠を模索すれば 積雪10m程度と計算ができるのです。

2017/2/17 の BLOG に加筆しました。

積雪荷重を受けるスパンは 9m      設計では 1ton/m2の荷重としましたイメージで設計しました、イメージ? 1000Kg や1トンというのは 直感的に重さのイメージが湧いてくるから設計の段階で1トンをイメージしたのです。

僕がいつも教えていただいている構造の専門家もいつもKg で話をされます、昭和世代なのでね。

さて 今は

建物への力は Knで示すことになっていますので 重さから力の単位へ。力の単位と聞いただけでもNをイメージしやすいのではないでしょうか?

では いざ

1000(kg)X9.8606=9807(n)=9.807(kn) になります。( 9.8kn/m2の荷重と言えば平屋だけ木造住宅の全体荷重相当です。)

その設計荷重を雪の深さで表すと 積雪荷重は4900mm  だいたい  5.0mの設計荷重です!! 一方で 飯山市役所で調べた設計積雪荷重は3000mmでした。 

ということは、飯山市役所の基準としている設計積雪3000mmを聞くと、最大で3mなんだと思いますね。ちょっと脱線しますが僕が福井の大きな病院の設計と施工管理をしている時が 昭和56年の大雪がありましたたくさんの 農業用施設や家屋も豪雪でひがいを受けたのです、いわゆる56豪雪ですが 平成30年になっても再びこの豪雪はやってきておりません、この様な自然現象の発生確率は期間30年とすることで 我々の人生スパンに於いて適切なのかもしれないですね。工事かなり遅延した記憶があります。この豪雪以降福井県の設計積雪はたの北陸地域よりも大きくなっています。

飯山に戻りますが、実際の積雪が6m超えたあたりから 倒壊する木造建築が随所に発生してもおかしくないといった具合だと思うのです。ここで飯山の設計積雪3mでなく6mと書いたことも、この稿で伝えたい部分です、つまり 周期30年での発生確率論と実際の建築物は飯山市の設計積雪量の2倍程度まで耐えることができる といった前提条件の中で決められた 積雪3m だと思うんです。

ただし 局部的な強度不足で部分倒壊がもっと少ない積雪で起こりえるし、3mこえれば倒壊が十分に起こると考えるのが安全上はただしいとも思えます。

さて ここで 積雪3mを超える積雪でも 局部的な損傷は除いたとしても6m程度まではなんとか持つのでは?その訳を述べましょう。


このBLOGで言いたいことはここから始まるんです、

 飯山だったら3000mmを超えることだって絶えずあるのでは? という疑問です。 (法律では 積雪1mを超えると 雪下ろしをする前提で設計も可能ですがそれにしても…..。

冬ごもりをしている様に見えちゃいますね。

それは 木材の圧縮、引っ張りなどの応力度はその1/3で査定しているからです。がどうでしょうか?あまり知られていない事だとおもいます。単純に言えば木材の許容応力度は本来の1/3で査定しています。 それに許容応力度の計算する時の計算係数を掛けて計算するのです。

1/3まで許容応力の査定値を下げながら計算では1.6倍しています。 


木材の応力度の安全割増

  • 1000kg/mm2–>9.8KN/mm2—>9.8X(1X1.6/3)=5.2kn/mm2  つまり 9.8kn の耐荷重は5.2kn /mm2の耐荷重と査定されます ですから 飯山市役所の指定する積雪3000mmというのは約2倍程度の安全側余裕があるという事になります。

今回の設計が 上記のように 積雪荷重1000kg/m2なら 計算荷重は9.8kn/m2 積雪なら4.9mですが 安全余裕度を掛け算しますと 4.9X(3.3/1.6)=10.1mの積雪になりますか。

ところで 2017/2/12 の積雪ですが この写真ではかなり少ないかんじですね??

今日あたりから本年最大の積雪になりそうですね 来週ぜひ見に行きたいです。

2017/2/12 のBLOG から。屋根は水平にして隣地への落雪防止のためのファンスを設けています。