強靭な木造建築

この家は『命の恩人です』 (神戸市東灘区)。

●東日本大震災の続いて熊本地震も起こり、たくさんの耐震性能への再評価が進んでいます熊本地震での評価において、日本式木構造建築についての評価や反省レポートはありますが、その一方で海外の木構造方式(ツーバオフォー)についての問題報告は今の所ありません 日本式木構造建築では多くの建築金物がその機能を発揮していない、あるいは機能が不足していた状況が語られる一方で海外の木構造方式(ツーバオフォー)と同じように壁に構造用合板をたくさんの釘で打ち付ける必要性を説いています。 まさに日本の建築方式(木造軸組構法)の弱点を補って行くと海外の木構造方式(ツーバオフォー)に接近して行きます。

阪神淡路のころは その金物すらない建物が多かったのです。(実際ホゾでの接続の引き抜き応力度は0 カスガイでも1.6kn程度と言われています。)

その反省に基づいた施行令47条と告示1460でも熊本地震で倒壊する建築が多発。してしまいました。

(先日のNHKスペッシャルでの特定の地盤状況での共振の恐ろしさがよく理解できましたが この粘土質の土壌エリヤは非常に広範囲でどこにでもあるので怖いです。今後地盤調査を行う上での新しいコンセプトで早速実行してみたい分野です。)現在までの地盤調査の方法では共振に対しては全く無防備だからです。

はなしは 国の法的なガイドラインに。この告示1460号というのは。2ooo年の告示です、柱脚部分の建築金物についての構造仕様規定が定められていますが熊本地震でその不十分な事も認識される事になってしまいました。

 東日本も含めてこの3箇所の大地震を経過しても、海外の木構造方式(ツーバオフォー)ではそのようなプレート金物の必要性が一切ガイドラインで語られる事はありません。釘による木材の緊結が義務となっていて以下の金物の設置義務はありません。それだけ構造のコンセプトとして優れた構造方法だと言えるのでしょう。その状況で 阪神淡路大震災、東日本大震災 熊本地震など激しい地震をクリアしています。弊社の建物も全ての被災地域で運良く無事でありました。

●海外の木構造方式(ツーバオフォー)(法律上の金属プレート類の設置義務なし)告示1540,1541

●日本方式(木造軸組構法) 、(柱脚部分その他の建築金物についての構造仕様規定ー金物での緊結力を強める) 告示1460

●ここでご紹介する 金物は SIMPSON STRONG-TIEのほんの一部で、海外の木構造方式(枠組み壁工法)では 一切使用義務がない金物です。 法律では釘での緊結について定められていていますが、日本式木造建築(木造軸組工法)と比べてもともと強靭故に告示1460の金物を必要としていません。)

●米国のSIMPSON STRONG-TIEと呼ばれるものです。がこの告示1460において 性能が証明されれば日本の建築基準法上で使用できます。(設置義務のある木造軸組構への使用もOK)

 金属プレートの必要性を未だ求められていない海外の木構造方式(ツーバオフォー)にも積極的に建築金物を使用してより高度な強靭性能を持たせたいと思っています。
SIMPSONの金物を有効に使った強靭な建築こそ  

EEplan の『国際規格の木造建築』です

   

今から四半世紀前では海外の建物は釘を使うからよくなくて、日本の建築は木材を釘を使わずに構成していくので安心。といったお話を多方面でお聴きしたことがあります

1995年の阪神淡路大震災では耐力壁や根太組方法に於いて合板などで補強することの有効性に注目されましたし、木材の接合方法についても単に木材を組み合わせる方法はあまりにも脆弱であることを一般の方々にも理解していただく事になり
、同時に枠組み壁工法の強靭さが注目されました。

 

阪神淡路大震災から約8年後に 東灘区のAさんから新しいProjectについてご相談をいただきました。与えられた敷地はほとんどが空きで、その 隅っこにAさんの小さな2階建住宅が残っていました。その空き地空間は母屋の全壊跡地との事。敷地境界線もずれてしまって、その調整は終えたとのことでした。聞いてすっかり驚いてしまいました。 

● この家は『命の恩人です』 (神戸市東灘区)

小さな2階建住宅の階段室ふきんに亀裂があり、建物は少しだけ傾いていました。

解体しないのですか?と問う私に「『命の恩人』なので解体はしたくない。知ってますか?被災した方々のご遺体が道路に並べられた光景を……。」私が知らない光景の事を知りました。

その中で見事にご夫婦の命を守ったのはツーバイフォーと呼ばれる海外の木構造方式の住宅ででした。

 

その中で 金物を嫌っていた?はずの 日本式木造建築(木造軸組工法)は接合部分への補強を求められました。

 

 

 

 

 

 

 

ガレージの内装制限について(1)

「小屋裏に上がれる」トラス。ガレージとの一体空間で木部の露出もOK

木造ガレージはその質感の良さを惜しみながらでも壁や天井を準不燃材で被覆する必要があります。この準不燃材での被覆を要求する法律は建築基準法で定められている特殊建築物の内装に該当します。

住宅の一部をガレージにする場合、ガレージの部分だけはこの特殊建築物と同じ扱い?と思う建築士さんもおられますが微妙な部分は基準法のどの部分も、各地方の行政機関の判断部分になります。何かわかりにくい印象ですが「各地方の行政機関の判断」とうのは意外と説得力があります。

居室などの内装制限と特殊建築の内装制限など一口に内装制限と申しましても規定は違い、多岐に渡りますが こと ガレージと申しますと用途がガレージである限り特殊建築物となり、内装制限に対応することが必要です。具体的には石膏ボードなどで覆います。可燃物である木材が『天井』や『壁』に存在させることはできません。 ただし 

天井面の1/10以下 あるいは壁面の1/10以下の部分は木材でもOKですので空中にあるトラスや梁が木材でも問題はありません。

また面積30m2以下で2方向が解放されていれば 全面的に木材が露見しても構いません。法律を守りながら面白い空間を作ることこそ面白い部分ではないでしょうか?

 

建物の断熱性能をもう一度考えてみます。(1)

断熱性能のお話をさせてもらう前に、空気の状態を知る方法について整理してみます。学校の理科で習った言葉が実務で再び。

関係湿度・絶対湿度・乾球温度。湿球温度などです。 ここで知って欲しいのは関係湿度と絶対湿度の違いです。

関係湿度というのは確かに乾球温度と関係があります。つまり気温が20℃の空気を冷やすと関係湿度がどんどん上昇します。そうするうちに空気中の水分が一杯(飽和状況)になって水滴に変わります。

冷蔵庫やエアコンから水が出てくるのを観た経験でも理解は容易です。

以上の温度降下の最中でも水滴に変わってしまうまでは『絶対湿度』は変わりません、つまり空気中の水分の絶対量は一定。其の状況で冷却すれば『関係湿度』が上昇する。 と 言った具合です。

 夏でも結構カラカラで洗濯物がよく乾くのに、晴れた冬の日々に『異常乾燥』と呼ばれるのは 「絶対湿度」のことを言っているのです。空気が冷たいので空気中に含み得る水の量が少ないのですから、乾燥していると言われます。 冬だけ異常乾燥と言われる所以がここにあります。

気象予報士さんもこの辺りを説明されると視聴者もわかりやすいと思います。

気温が0℃に接近すれば ほとんど水分が飽和状態であっても絶対湿度は小さいのです。 飽和状態なら「関係湿度」は100%と呼ばれるのです。

この空気線図の水平ラインが 乾球温度 いわゆる 気温です。

赤い曲線がそれぞれの乾球温度における関係湿度です気温が高くなるほど赤い曲線の間が広がっていきます。

赤い曲線の最上段が結露ポイントです。

Y軸の絶対湿度から水平に左方向に線を引くと赤い曲線と交差する部分がありそのままX軸の気温を読み取れば 結露する気温を知ることができます。

断熱性能が高い建築物の屋内は 屋内から入った空気を温めるために「関係湿度」が下がってしまいます。よく加湿器が必要になる状況です。加湿器は別として「関係湿度」が低いのですから、屋内での結露を発生することを大きく減らせるのです。

押入れの中などそれでも結露する建物は やはり断熱性能が悪いことや 押入れが外壁と接する部分にある中で、機密性が低いために外気が侵入し、局部的な結露に直結します。

 

 

SIP アメリカ規格を日本でも使えるように開発。

建物の断熱性能をもう一度考えてみます。(1) で申し上げたように。

屋内の住環境条件を向上させた場合のベネフィットはたくさんあります。

其の多くの利点の中でも壁体内部の結露を防止するのも長期スパンの建物では無視できません。外壁に通気用の胴縁が盛んに設けられているのも其の部分が原因です。

 

ところで EEplanは  図のような STRUCTURE OF INSURETED PANELを 広めていきたいと思います。

この  STRUCTURE OF INSURETED PANELー>SIPは構造的には建築基準法 37条の構造認可を得る必要がありますがアメリカ製の構造用合板はJAS製品でないので構造材として使うことはできません が其の一方で、一定の条件下で使用可能な方法を独自に開発しました。

 

積雪荷重について考えてみる。

積雪荷重を受けるスパンは 9m      設計では 1ton/m2の荷重としました。

(積雪荷重は3mー>600kg/m2) 屋根勾配による荷重の低減は認められないので まさに1ton/m2として計算することにしました。

屋根は極力水平にして隣地に屋根からの落雪が無いように配慮、フェンスも設けています。

法律では 積雪1mを超えると 雪下ろしをする前提で設計も可能。しかし 現実にはその前提は通常無視して 安全側に。 もちろんこの屋根形状やフェンスを設けるコンセプトにはそぐわないので1ton/m2以上の荷重で設計しています。

屋根はOK としても                              普通の建物より基礎の総延長が小さい建物でもあります 基礎は大丈夫? 地盤調査結果や基礎の構造を吟味して 設計施工しています。

 

 

レッドシダーにこだわったの木造ガレージ

木製屋根材には、間違っても鉄の釘をつかっては大変です。亜鉛に浸した釘を使います。最近ではアスファルトシングル(アスファルトでできた シングル)様の釘が利用できます。 釘の頭は平な釘 長さは50mm以上です 屋根の端部分は2重にはります。 あともっと大切なのは 防水紙をシェークの間に挟み込んで施工する事が正しいといわれていることも覚えていてください。 一方弊社のガレージは間に挟まなくて、下地ルーフィングの上に一気にはっていきます。  弊社では 自らの家を2件しかも築30年でも問題はありません。それは 防水紙をシェークの間に挟み込んで施工するのは 野路合板を貼らない施工をおこなう際に 非常に有効になります。

 

 それは茅葺きの家等と同じで 屋内小屋への有効な換気手段になるからです。 誤解を恐れず申し上げると、日本の短絡的な枠組み壁工法の規格では屋根に構造用合板を設置する義務があります。(海外では合板を使うことは義務ではありません)がすでに 海外でも、このシェイクの屋根は稀なのではないでしょうか?

野路合板で小屋裏が覆われるので、通風のしようが無いからです。 他方近年の建築では、その部分にベーパバリアを設置し、当該部分の内部結露を阻止しています。 物置やガレージの場合、屋内と屋外の冬期温度差は小さいと考えられるので、以上の方法を選択しています。

一昨年は積雪3mの飯山市・今年は草津温泉 スキー場。

ガレージはどうしても その屋根サイズにおける                構造仕様を決めなくてはなりません。

2年前 積雪3mの飯山もやったし、今年は草津温泉 スキー場。

 我が社の大工は元気です。 6.5mのスパン その垂木サイズは 「2X6でいいんだよ」と宮坂大工。 経験豊富な大工なのでだれもが素直に頷く中で。そうでもない事だってあったのでは?

「あの草津温泉のガレージ スパン大きいし、垂木増設してよかったね。」と僕。「そうです 今1.4m積もっていると施主から連絡ありました。」と千晶大工。「うん。あの時辛くも、垂木を2-2X8にしておいてよかったね。」応えた。       いくらベテランでも ベテランであるがゆえに 設計と共に、雪のない季節に工事をすると多量な積雪についての配慮を忘れることもあり得る。そうすると 恐ろしい事にもなりかねない。

だから わかり切った状況であっても。

構造を含む施工要領のチェックと大工からの意見、設計者からの意見を交換する。その中で、構造チェックのプロセスを経る事で、初めて、積雪についての思慮が及ぶ。

学者が作った構造力学の本は実務に使えないといえば学者は驚くだろうか?あるいは構造設計者が考えていた事が現場の監督や大工にストレートにつ変わるだろうか?あるいは 構造の知識がない企業がソフトウエアに頼り切ってその意図を読み取れない状況での施工がないといえるだろうか。

全て実在するという方が自然である。

だから 僕が大切にして広めたい事 それは

構造仕様の決定の論理を電卓で速やかに。        (手計算こそ理解を深めて基本計画での応用が効く

と思っています。

構造計算といっても、プログラムされた構造計算書ではなく、電卓で大工と僕たち設計する人間が一緒に計算して この部分は CN-90 4本でいいよ。いや 6本にしとく。垂木は設計図面通りでいいね。など語り合えることこそ僕の望む設計工房の姿。建築構造に対する論理を大工と語り合いながら進めるための資料が必要だと思う。 

 草津温泉のように 夏に机上で「ふーんそうだね2X8」だろう、大工も「そだね 設計通りだね。….」で終わってしまうのが 実は怖い。

一方僕たちは積雪3mでの大スパンもやってきた、あの飯山市。 豪雪地帯。京都の高校スキー部の時代 なんというか 憧れの豪雪地帯だった。そこで 新幹線開通の直前に完成した。LVLを多用した。 他に新潟県との県境の豪雪地帯でも やっている それは 垂木の間隔は303mmだった。

 枠組み壁工法での豪雪地における先人の資料は無い。 ただ構造のロジックに頼った設計を 社長は過去 普通にクリアしている。カナダだと 設計積雪荷重4000Kn(2m相当)も結構ポピューラーな情報として 共有されているのに、2X4に於いては、日本の先人からの情報共有もないのは残念。

他方で組織として 動く場合は やはり 構造上の論理を大工も 営業も共有する必要がある。僕の知る構造計算であればきっと初歩的であって名前ほど難しいものではないと思う。

しかしまー

Kg(kgf)の方が 大工さんも僕も体感しているのでわかりやすい。だから 簡単にニュートンなどの単位になると イメージがわかない、これは結構けた間違いの恐怖にとらわれるます、どうしても馴染めないのが残念。

まず 

1:屋根を構成する荷重

さっさと求める. 木材の比重を0.6とすれば

 厚さ12mmの構造用合板の単位m2の容積は

 0.012X1X(1000X0.6)= 7.2kg/m2

  3X6の合板を運んだ時の印象と合致します。納得!そう、会社の愛犬 花ちゃんよりちょっと軽い感じ、そうだよね。

  木材の重さ

  2×4   

       38mmX89mm=3382mm2    3382/1000000=0.003382m2

       0.003382*600=2.029kgf

       確かに 1mだとこの程度でしょうか?

        2×6  断面積の比率  1.57    2.029X1.57=3.19kgf

        2X8 断面積の比率  2.06  2.029X2.06=4.18kgf

         2X10 断面積の比率  2.64  2.029X 2.640 =5.35kgf

 この辺りから 仕方なく ニュートン。

 1N=0.1.02Kg                 

    垂木一本についての荷重だから 

 2X8材  4.18Kg /m=40.9n/m

   合板12mm  7.2X0.455=3.28 Kg/m=32.15n/m

   屋根材  アスファルトシングル は彩色石綿板の重さとして

 255n/m2  

 255X0.455=116n/m

    屋根勾配が3/10だとすると 斜辺は1,044

       勾配補正 (40.9+32.15+116) = 189.05n/m 

            【G】              189.05X(1/1.044)=181.1n/m    

         勾配長さを水平スパンに圧縮して加えている感じ、

       積雪     80cmとすると80X20=1600n/m2

            【S】     垂木1本  1600*0.455=728n/m  積雪荷重は勾配の補正不要。

       そうすると  計算荷重は G+S なので

     181.1+728=909nm

 

  曲げモーメント

        Mmax=(909X5.22^2)/8=24,768

       せん断力

   Qmax=(909X5.22)/2=2372

 

           たわみ

  σ=5X909X5.22^4/384EI

 

  次に木材の強度も調べていこう。

  同時にヤング係数のデーターも得る事になるので

  たわみ量のチェックも行う。

 

 

 

DIY野地合板まで進んでいました。大雪でももう安心。

2017年1月1日木部組み立て開始の Projectを2週間ぶりに見学しました。野地合板まで出来ていたので安心しました。ほとんど ご主人と奥様のお二人の作業。たくさんある脚立は昔屋根工事をされていたご実家から借りたとのことでした。

2016/12/28 を現地ででの ネダ加工作業。

建物の奥にはスパン6.5mのネダを作っていて、少し荷物を収納したいという リクセストにお応えする為の定尺より長スパンのネダが瞬く間に完成したのは昨年暮れでした。   

 今となっては、「弊社の大工さんがプレカットして準備しておきました。」と申し上げられるのですが これも大工さんの尽力あってこそ。施主のリクエストに応えることが出来ました。

現場からの積極的な意見はより質の高い建築を提供出来ます。 

思い描いていた物をより良い「実物」としての成果は              優れた大工さんのからの賜物です。

垂木かトラスか?迷うところです。将来車庫にしたいなら 垂木。天井を高くすることができます。