車庫の内装制限を考える。

  • 車庫の内装を構造用木材で施したガレージを希望する施主は多い。

木造ガレージの屋内写真では壁面や天井面に木材が使われているケースをたくさん見る事ができますし、キットガレージの会社のホームページのほとんどそのような写真が掲載されているのが現状です。ところで 私は以上を弾劾する訳ではないのです ニーズがそのように至っているのか あるいは 内装制限の必要性について社会が認めていないのかもしれないですね、ですから 告示レベルで現実に沿った法改正をすべきだと申したいのです。 日頃からの筆者の持論である小規模住宅用のスタンダードを作ることができれば その中で解決すればいい、小規模住宅が対象であれば緩和することも考えやすいと期待できます。

大型トラックが出入りする 船舶やその他資材の格納庫。自動車車庫ではないので内装制限はない左の壁は22条対策。

海外の小規模建築の規格


オーストラリアだと AS、  北米だと IRC などがありますよね。 ですから 例えば Japan Home building  Standard   JHS  を作って 北米などで AS やIRCを満足する建築材料や設計のための論理構成をわかりやすくできます。(大規模な建築に言及する必要がないのですから)。 経営コンサルタントの大前研一氏が”日本の論点2019-2020”で述べるように海外の建材が使えるともっと建築コストはさがりますね。

囲い込んだ”専門知識”は小規模建築の基準ができれば”常識”に変えられる。

大前研一氏が言及しない部分を加えましょう。それは ホームビルダーのレベルを向上させる事です。そうすれば 住宅工事や住宅資材ともどもその 上層部のみが知る知識の囲い込みがなくなり階層社会が緩和されて 街の大工さんや小規模な工場が窓をはじめとした資材の提供もできますね。小規模建築であれば 法37条(✴︎注釈参照)ももっと緩和できるので海外の優れた資材が使えます。

つまりここで論ずる建物規模の数万倍の容積をもつ建築物や不特定多数の人々が利用する建築物と小規模な住宅建築を一つに括ることが問題なんです。

ここで本題の車庫の内装に戻ります。

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住宅におけるガレージには壁面や天井面を不燃材や準不燃材で被覆しなくてはなりません。ただしあくまでも天井面 と 壁面 なので空中に木材があっても問題になりません。

天井面(鉄板-不燃材)の面積で木材(可燃物)の面積が天井面積の1/10ならOK

天井面が準不燃材であればトラスの木材が空中にあっても法律をクリアします, すなわち 天井や壁共表面積の1/10以内であれば天井面や壁面に木材があってもクリアできるんです!

ちなみに2×4や2×6でトラスを作るとトラスの木部は屋内側からみて楽しむことができます。

等々。

と 一見物知り顔で述べてしまいましたが、このような事が 複雑な建築基準法やその関係図書に記されています。ただし誤解を産みやすいのも事実で、一部の専門家のみが情報を知ることになり、この部分が 住宅産業の階層を保持するための道具になっているのです。車がポピュラーであれば、数こそ違え 自動車車庫もポピュラーなはずです、その建物の屋内仕上げについてはある程度常識の範囲に近いレベルで皆が知り得る情報とすべきことです。

べつに?不便をかんじませんよね?? そのように社会構造ができていますしね。 しかしその状態から解放されたら 住宅はもっと安価になり、国民の資産は大きく増えると思います。戦後の持ち家率向上とは違って、ハイレベルな持ち家率の向上になります、つまり 持ち家がローンの負債でなく資産として各個人の物になると申せばどうでしょう? 

自動車車庫の内装制限!!?? 

( 壁面 天井面の仕上げは準不燃材や不燃材を使わねばならにという内装の制限 )

 この内装制限に関する法律の解説をする訳ではありません、ガレージという危険物を積んだ乗り物を収納する建物の安全性はどこにあるのか?あるいは内装制限を拒否する方法、あるいは我々設計事務所の矜持について考えます。

  •  賛否両論?一方部屋の名前を変えての申請をとる方法があります。(敢えて危険な言い回しをしています。)

「リビングルームに車をいれてもいい」と言った発想もありですね。私たちや行政機関がどう考えてもガレージじゃないの?と思っても施主の責任で「違う」となれば 確認申請を得てさらに完了検査は合格となるでしょう。 さあ あなたはどうしますか?法令遵守をと言いながら下記のごとく用途に係るものは、施主のあなたが決めることです。


  • 弊社WebSite では ごく当たり前にガレージの屋内仕上げについての仕様や金額類を表示していますし写真もそうですね、その甲斐あってご理解度が高まり、最近のお客様で木質壁を露見したいと発言される方は大幅に減っています。まだ露見を許す企業もある様子ですのでそちらにいかれるのかもしれませんね、

  • 僕たちの矜持と施主の自己責任。

 1;設計事務所としては施主の要望に対して十二分に法律を説明して差し上げることが大切でしょうね。施主の意見を論理的に否定する材料がない限り私たちは施主の意見を尊重します。 それ以上の追求はナンセンスですね。確認申請機関で 「これ どう考えてもガレージでは?」との問いかけに『施主の言う用途に異論を唱えるのは僭越すぎますよ、でも私もガレージだと思ってはいます。』と申請機関の意見に同意しながらも 「施主は物置として使うつもりですから それ以上は言えませんよね」と答えます、たしかに これから数十年にわたって使われる建築物です、その瞬間は そうすることで建物の内装制限は不要になります。

 2:完成後の法令遵守のために屋内にDIYで屋内み面材を貼ることを約束するお客様もおられますし、その逆の方もおられます、すなわち引き渡し後ご自分で石膏ボードなどを撤去される人もあります。十分に法律を説明してあれば 僕はそれでもいいとおもうのです。用途までの干渉はできません。

用途変更などは施主の自己責任です。でも法的なことはもちろん 用途変更の際の改造商法や準不燃材の選別、施工要領なのについてのアドバイスをします。 物置で申請しても やはり法令遵守を希望される施主もおられます。

法律の有無に関係なく、ガレージの安全性を考えるべきだと思います。

  • 正直いって平屋のガレージ専用建物であれば この内装制限というのはナンセンスだろうと思うのが私の本心です、安全を願うなら下記の2方向避難でしょう。
  • あと私たちがやるべきこととして屋内にある車両またはその関連施設が火災の原因に至ったケースがどの程度あるのか?を調査したいとも思います。
  •  住居に組み込まれた建物で設計段階にそのようなお話をいただくことがあればお断りですね。(幸いにもそのようなお客様に遭遇していません やはり世の常識として ビルドインガレージはみなさん内装制限を普通に受けいてくださいます)
住宅にガレージを組み込んだ例 ガレージは準不燃材で区画している。(長野県には条例も整備されている、24条 25条)
  •  単に法律を守る以外に僕たちがいつも留意しているのは 二方向避難です、やはり自動車の火災が怖いので 母屋に組み込まれたガレージについてはしっかり防火区画をしています。(長野県では県条例で決められていますが多くの地方でもそうではありません,長野県は厳しい!)一方、法律論に終始するのでは不十分です、法律とは別に設計者は安全性を考慮すべきです。2階が居室(多目的室)の場合は窓から飛び降りても脱出できるように1箇所は大きな窓を設置するようにおすすめしています。 長野県の法律の様にに2階への通路に防火ドアを設けても 2階から避難できねば意味がありません。


ガレージ横の部屋は物置としての設計。内装制限の区画を示す好例。実際はエンジンのないキャンピングカー用の収納スペース  (宮城県の作品)

「隣り合う部屋が居室で内装制限対象外という事例」を紹介しましょう。 つまり自動車が止まっている空間以外は内装制限に対応していないケース。というか これが法律そのものです。宮城県県庁の建築指導課が担当されています。

最後に法律の文書を書きます。

特殊建築物と言う名前が 一般の専用住宅と異なる様に読み取れるのが問題なのかもしれませんが よく読むと…..

なぜ内装制限が必要かは以下の法律によります。

1 建築物土地に定着する工作物の内柱もしくは壁を有するもの。(以下略)

2:特殊建築物(とくしゅけんちくぶつ)とは、建築基準法第二条二項で定められた「学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物を言う。

以上から「内装制限」がかかります。

 一部の人が囲う専門知識をやめて皆の知識になれば。そしてその常識とも言える専門知識を持って、大工や工務店が住宅の元請けとなり あるいは 各部品の製造流通が盛んになれば 小規模でローカルな窓や建具メーカーが沢山生まれるかもしれません 資材も工事する会社の 縦の系列がなくなり 住宅建築費は 50%低下。債務が残るマイナスの資産から解放された日本人の個人資産は大きく増大しますよ!!!そのためにも建築基準法(小規模建物のスタンダードを)を作り直す必要があります。

100坪近い広さを持つ住宅の1階部分。屋内は全て準不燃材で被覆している、ラーメン構造の様に見えるのは せん断力を分担する壁と2階床梁の組み合わせている部分 枠組の木造建築。

(✴︎注釈) 法37条の 要点 主要構造である部分はJIS ・JAS・国土交通大臣認定品 が必要。


法37条 :建築物の基礎、主要構造部その他安全上、防火上又は衛生上重要である政令で定める部分に 使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料として国土交通大臣が定めるもの(以下この条において「指定建築材料」という。)は、次の各号の一に該当するものでなければならない。

一 その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本工業規格又は日本農林規格に適合るもの
二 前号に掲げるもののほか、指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める安全上、防火上又は衛生上必 要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたもの


 小規模建築のための標準